府中街道と玉川上水が交差する地点から50メートルほど南に‘ふれあい下水道館’がある。

小平市の公共下水道事業の完成を機に下水道に関するさまざまな資料を展示して、
     市民に下水道を正しく理解してもらおうと平成7年に開設された。

水の乏しい昔の小平周辺が玉川上水から野火止用水や小平用水の引き込みで新田開発が進み
今の発展があり、現在の都市生活を支える下水道施設の役割を分かりやすく展示してある。

地域の小学校の課外授業でよく使われるというから、子供たちには馴染みのある施設になって
いるようだが、大人が見ても十分楽しめる展示館であること請け合いである。

取材に対応してくれたインストラクターの親切な説明にお礼を言って、2階から順に各階の展示室
を見て階段を降りる。途中数組の小さな子供連れの家族に出会ったが、
いつも混雑無くゆったりと見物できるようだ。

通常の建物と違って下へ下へと伸びる館内の最深部地下5階からつながっている
地下25メートルにある本物の下水道には、そのスケールに大きさに圧倒された。



      
下水道館施設利用案内などは  こちらから



各フロアーの見どころ紹介(ふれあい下水道館ガイドブック参照)

開館以来11年間で24万人近くの来館者を記録。広く地域の人達に水と人とのかかわりを
様々な展示資料をとおして見せてくれます。

広く水に関する図書を収集し、来館者
への情報提供を行ない、コミュニティー
ホールとして休憩スペースとしても使えます。

研究書から児童向け図鑑、玉川上水に
まつわる興味深い図書が備えられています。

但し、貸し出しはしていません。

エントランスホール、清流をイメージした心安らぐ空間を演出しています。
水槽には多摩川上流に棲むイワナやヤマメが泳ぎ、江戸時代に庭師が
考案したと伝えられる水琴窟が来館者を迎えてくれます。


地下約4.2メートル

多目的に使える「実験空間」。
インストラクターによる理科の課外授業や、顕微鏡と大型ディスプレィを
使って微生物の観察ができ、地域の児童生徒などの団体来館者を対象
に多彩な学習利用ができる設備が完備しています。


地下約8.4メートル

私たちの暮らしと下水道の関係を知ることができる空間で、江戸時代から現在までの下水道事情が年表やマジックビジョンで伝えてくれます。

下水管から運び込まれた汚水が様ざまな工程で処理されきれいな水が川や海に流される仕組みを見る事ができます。
下水管などの設計・処理場での管理運営・下水管の保守点検をしている人たちはシャドウマンと呼ばれ、文字通り私たちの目に触れない所でハードな仕事をしています。


地下約12.6メートル
小平市の水環境の歴史について知ることができる空間で、
来館者にとって親しみのある玉川上水・野火止用水や、多摩川、まいまいず井戸
など地域性の高い話題で構成されています。
その昔、水の少ない武蔵野台地で先人が苦労をして水を確保し新田を開拓して
きた様子を知ることが出来ます。


地下約16.8メートル

水と環境を主としたイベントを行なう多目的空間。
現在は「近代下水道の前史と夜明け」と題して江戸時代から明治時代の下水道
の貴重な資料や分かりやすく解説したが展示されています。


地下約22メートル

下水道の実物に触れることのできる空間で、下水道で使われている管やマンホールの実物を展示してあります。
体験コーナーの二重扉をくぐると、内径4.5メートルもある公共下水道小川幹線の中に入ることができ、地下25メートルに埋設されている下水道の実物に触れれる貴重な体験ができます。

通常は底の方にしか流れてない一筋の下水(汚水と雨水)ですが、台風や1時間に50ミリ以上の集中豪雨の時には、あっという間に水位が見学用デッキにまで達して危険が伴うので、二重扉を閉めて見学は中止になります。昨2006年には扉を2回シャットダウンしたそうです。


内径4.5メートル(10トンダンプカーが2台も入る)巨大な下水道

小平下水道事情

ふれあい下水道館地下5階から見学できる下水道管は流域下水道:小川幹線の一部で、
末端の府中市小柳町の多摩川べりにある北多摩1号水再生センターに下水を送って、
そこで再
生処理をした水を多摩川に戻しています。

北多摩1号水再生センターは小平市北部の野火止用水及び西武新宿線を北境とし、JR中央線を横断して府中市の多摩川に至る処理区の下水を処理する合流式の水再生センターです。

処理水が多摩川に流れ込む放流口あたりは魚のオアシスになっていて、
処理水のきれい
なことが実証されていますが、分解されにくい油などは下水に流さないように気をつけたいですね。

水を再生することは河川および海の汚染を防ぐ大切な仕事です。
また、再生水も貴重な水資源で、
下水道事業は都市機能の重要な役割を担っています。

2007年1月 記

  

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