自らを“木彫り職人”と称して自らの人生も彫り続けた 田中翁の展示作品から
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田中翁の語録には「長生之秘伝 けふもお仕事 おまんまうまいよ」と、
手先を使いたゆまず創作を続けられたことが元気の源で、長生きされたようです。
現在、展示室で出会える作品は明治、大正時代から昭和50年代までの
彫刻と90歳代になって本格的に取り組んだ書が中心になっています。
私たちにも馴染みの深い芭蕉や蕪村、聖徳太子像など歴史上の人物像や、
ギリシャ彫刻のような美男美女の理想像にはない人間臭さが
田中彫刻の見どころではないでしょうか。
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@転生(てんしょう):生ぬるい人間を食べたがあまりのまずさに吐き出してしまう恐ろしい
形相の鬼の像。幼少の頃に聞かされた昔話を題材に。大正9年 ブロンズ 高さ238センチ。
Aバラエティに富んだ作品が展示されている地下展示室。
B『月姫』と題した女性裸像の上半身 ブロンズ 作年代不詳。
C『欣々自私』色紙 昭和38年 書。
D芭蕉像:文芸性の高い蕉風俳諧を確立し門人たちに崇められた俳人の姿。
昭和36年作 木彫彩色 高さ18センチ。
E夜半翁像:文人画家としても名高い与謝野蕪村の像で、晩年京都で夜半亭二世を継承。
「菜の花や月は東に日は西に」の句のようにおっとり円満な姿を。昭和43年 木彫彩色 高さ
25.5セン チ。
F雲林先生:中国元代末の四大画家の一人がモデルで、号を雲林と称し顔は岡倉天心に
似せて作 られている。昭和25年 木彫彩色 高さ54センチ。
G上宮聖徳太子尊像:法隆寺からの依頼で同寺に伝わる平安時代の秀作聖徳太子像を
参考にして制作し納めた作品とほぼ同形の像。昭和21年頃の作 木彫 高さ17.5センチ。
H十徳圓来大黒天尊像:鮮やかに彩色された大黒像。昭和48年 木彫彩色 高さ22.5センチ
Iウォーナー博士像:アメリカの東洋美術研究家。岡倉天心が部長を勤めたボストン美術
館東洋部などに勤務。太平洋戦争の際に京都・奈良を爆撃から守るために尽力した日
本美術の恩人の胸像。昭和45年 ブロンズ金箔 高さ80センチ。
J岡倉天心胸像:昭和6年 ブロンズ金箔 高さ107センチ。
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